「世の中が丸くなりますように」
初代が抱いた願いを今に引き継ぐ
丸世酒造店がある信州・中野市は、長野県の北部に位置します。創業は明治3(1870)年。この年は、中野県が発足し、同市内に県庁が置かれた年でもあります。しかし、動きだしたばかりの新しい時代に加えて全国的な凶作が続いたこともあり、各地で政治経済は混乱を極めました。当地も例外ではなく、同年、中野騒動と呼ばれる大規模な農民一揆により県庁が焼失・移転、多くの人家も被災するなど、めまぐるしく世の中が動く不穏なときであったと思われます。
そんな明治維新の渦中に誕生したことから、初代申七郎が「世の中が丸くなりますように」との願いを込めて「丸世」と名付けました。その願いを今に引き継ぎ、平穏で心豊かな暮らしの一端を担うべく日本酒を醸し続けています。
町なかで醸し、町とともに生きる
目指すのは安心して暮らせる場所
中野市は古くから果樹栽培や稲作が盛んな農村地帯であり、酒造りも盛んな地です。とくに1700年代からは酒造量・消費量ともに増加し、明治元(1868)年には市内の酒蔵は16軒を数え、現在も3軒の酒蔵がそれぞれに地酒を醸しています。こうしてわたしたちが5代にわたって地酒を造り続けてこられたのは、地域の皆様にご愛顧いただいてきたからこそです。その恩に報いるためにも、これからも地酒良酒を届けることは言わずもがな、安心して暮らせる町づくりにも取り組んで参ります。たとえば、広い敷地を持ち井戸からは豊富で美しい雪溶け水が汲み上げられる酒蔵には、日頃から人が憩い、また非常時には肩を寄せ合い、集うことができる場所にもなり得ます。町とともに生きる酒蔵の可能性を掘りおこし、磨き続けていきます。
激流をゆく鯉のように挑み
選ばれる酒を目指す
鯉の滝登りとは、流れの激しい滝を鯉が登るように勢いが良いこと、転じて立身出世や栄達などを表す言葉でもあります。中国の故事がもとで、激流を登りきった鯉だけが竜になれたとも伝わります。わたしたちの代表銘柄「勢正宗」のラベルには、この故事にあやかって鯉の滝登りをあしらい長らくシンボルとして親しまれてきました。6代目晋司からは次世代の酒として「勢正宗Carp Series」と冠したシリーズを発売しています。切り抜かれた鯉の躍動感あふれるラベルが目印です。
巷には多くの日本酒が並び、その個性は百花繚乱の様相を強めていくことを日々実感するところです。わたしたちも勢いを緩めることなく上へ上へと突き進み、いずれ竜となるがごとく酒造りを極めていくことが、〝選ばれる酒〟につながっていくと考え、日々精進して参ります。
会社概要
株式会社丸世酒造店
関 康久
関 晋司
〒383-0022 長野県中野市中央2-5-12
TEL.0269-22-2011
FAX.0269-22-2041
1,000万円
4名
明治3年
電車の場合
長野電鉄信州中野駅で下車して、徒歩約10分です。
*上記の地図を参照してください。
自動車の場合
信州中野インターチェンジから15分程度の町中にあります。
※駐車場あり。5台
※上記の地図を参照して下さい。